普通の大学院生が研究留学するまでのブログ

これといった取り柄のない30台半ば大学院生が、もがき苦しんだ結果海外留学を決めるまでの物語。

動物実験施設 その1 

今年の始まりとともに壮大な大風呂敷をひろげてみたはいいものの、

物事は思う様には進まず、重たい日記帳となってしまった。

 

でも今日は一つ前に進んだ。動物実験施設の初回利用説明を受けた。

 例えれば本格的にランニングを始める前。

スポーツ用品店に行ってシューズを買ってきた時のあの高揚感。

 

強調されたのは実験動物への感染予防対策だった。

SPF (specific pathogen free)動物は

・3ヶ月ごとに特定の病原体を保菌していないかチェックを受けている。

・病原体の感染力や毒性は様々で、もっとも難しいのは感染力が弱く発症もしにくい菌への対策。だったらSPF対象から外せばいいんじゃないのという議論もある。

・実験用動物をチェックのために消費できないので、モニター動物を別個に飼育し、実験用に飼われた動物の床じき(おがくずみたいなもの)をそれぞれ少しずつ集めて、モニター動物の住環境に混ぜ込み、その動物を観察、検査する。

→モニター動物から菌が検出されても、感染元の動物を特定できないので、病原体が判明したら近くのエリアにいた動物諸共殺処分となる。

・無菌的に作成された受精卵を偽妊娠マウスに受精させて仔を生ませ、その仔が成長して繁殖するまでに3ヶ月。遺伝子改変マウスでは、ホモで揃ったものを作成するのにさらに3ヶ月かかりうる。(SPF化という)

→一度SPFが破られると動物実験が最長半年できなくなる…恐ろしい…

 SPF化にかかる費用8万円也…思ったより安い

・なので、動物を持って出るのは良いが出たものは再びは中に入れない。新たに搬入するにもSPF化をするか、されたのが証明されているか、基準を満たしたブリーダー業者から購入するに限る。

・コンベンショナル動物(そこらにいる動物)を扱ったら1週間施設に入らないことが望ましい。動物園のふれあいコーナーは控えて(普通そんな行かないけど)。ペット(特に齧歯類)飼うなんてもう…

・購入に当たっては事前に申請書を提出すると、施設スタッフが発注から動物のケージへの収納までを代行してくれる。

・動物の所有者は実験以外では週1回のケージ交換が必須。給水ノズルの交換が必要だが、丁寧にやらないと水漏れの可能性あり。また壊れていると勝手に漏れることもあり注意。水漏れのまま数日おくと下の階に雨漏りすると…大事件!

・実験で使用した動物の屍体は丁重にフリーザーへ。申告書にはその重さも記入する。これは、どれほどの動物を処分しているのか外部にも客観的に明示するためでもあるとのこと。

・飼育中の管理料は50円/日/ケージ。世の中はお金で動いている。

 

その後は実際に施設見学させてもらった。どこ触ってたかわからないメモ帳も持ちこむのができないので記憶が頼りだが、覚えることが多すぎるので途中から断念!

あとは実践あるのみ。